ゴミ屋敷で水漏れが発生した場合、その原状回復には単なる片付けや清掃だけでは不十分です。多くの場合水によって深刻なダメージを受けた床や壁などを修復するための「リフォーム」が必要不可欠となります。そしてその費用は通常の火災保険や個人賠償責任保険ではカバーされないケースも多く、非常に高額になることを覚悟しなければなりません。ゴミ屋敷の水漏れリフォームで最も費用がかかるのが「床の全面張り替え」です。長期間水に浸っていた床は表面のフローリング材だけでなくその下の合板、さらには床を支える根太や大引といった構造部分までが腐食している可能性が高いからです。この場合床を全て解体し構造材から交換する必要があり、6畳間であっても30万円から50万円以上の費用がかかることもあります。また水が壁を伝っている場合は「壁の修繕」も必要です。壁紙を剥がし湿気でカビだらけになった石膏ボードを交換し新しい壁紙を張る工事で、6畳間の壁一面で5万円から10万円程度が目安となります。もし階下の部屋にまで水漏れが及んでいた場合はその被害の補償も必要です。階下の天井や壁の修繕費用、そして水濡れでダメになってしまった家具や家電の弁償などその賠償額は数十万円から時には百万円を超えることもあります。リフォームを依頼する際の注意点としてはまずゴミ屋敷の片付けとリフォームの両方の実績が豊富な業者を選ぶことです。水漏れの根本原因を正確に特定し目に見えない部分の損傷まで的確に診断できる専門的な知識が求められます。そして必ず複数の業者から詳細な見積もりを取り工事内容と費用を徹底的に比較検討してください。工事の範囲や使用する建材のグレードなど細かい点まで確認し納得した上で契約を結ぶことが重要です。ゴミ屋敷の水漏れは建物の寿命を縮める深刻なダメージです。その治療には相応のコストがかかることを覚悟しておく必要があります。