汚部屋を自分で掃除する上で、最も大きな壁となるのが「捨てる」という行為です。モノ一つ一つに思い出や執着があり、なかなか手放すことができないと感じる人は多いでしょう。しかし、部屋を根本からきれいにするためには、モノの総量を減らすことが不可欠です。そこで、自分なりの「捨てる基準」を明確にすることが重要になります。まず、全てのモノを床やテーブルなどに出し、カテゴリーごとに分けます。例えば、衣類、書類、趣味のモノ、日用品などです。次に、それぞれのカテゴリーのモノを手に取り、以下の基準で判断してみましょう。一つ目は「一年以上使っていないモノ」です。一年間使わなかったモノは、今後も使う可能性が低いと考えられます。ただし、季節モノや冠婚葬祭用の服などは例外です。二つ目は「壊れている・使えないモノ」です。修理して使う予定がないのであれば、思い切って手放しましょう。三つ目は「劣化しているモノ」です。変色したり、シミがあったりする衣類や、古くなった化粧品などは処分対象です。四つ目は「同じようなモノが複数ある場合」です。一番状態の良いものや、一番お気に入りのものだけを残し、他は手放します。五つ目は「持っていること自体にストレスを感じるモノ」です。プレゼントなどで無理に持っているモノがあれば、感謝して手放すことを検討しましょう。大切なのは、完璧に捨てることではなく、自分にとって本当に必要なモノ、心を豊かにしてくれるモノだけを残すことです。迷うモノは「保留ボックス」に入れ、一定期間様子を見てから最終判断を下すのも良い方法です。捨てることは、モノを否定することではなく、新しい自分と新しい空間を作るための大切なプロセスなのです。